不正選挙を暴け
2023年2月25日にナイジェリアで選挙が行われました。
結果は現与党の全進歩会議(APC)のボラ・ティヌブ氏が勝利でしたが、この選挙には不正が疑われる証拠が多くでています。
破壊された投票所の写真
そこで3位に終わった労働党(LP)のピーター・オビ氏が異議申し立てを行いました。
この異議申し立てをするために、マーク・エッシェンさんというソフトウェア開発者が投票用紙の写真からデータを抽出するために行ったこと、それに加えて妨害工作に対してどう対策したのかを自身のブログで公開しています。
The drama in trying to convert election PDFs to Spreadsheets – Mark Essien
マーク・エッシェン氏
エッシェンさんはまずOCR(光学文字認識)をつかって写真から文字を読み取ることを試みました。
しかし写真のアングルはバラバラで光量も違い、ブレた写真も多かったためまともに読み取ることができません。
そこでエッシェンさんは「オビディエント」と呼ばれるオビ氏のサポーターに協力してもらうことに。
すぐにこのようなサイトを立ち上げて、写真に書いてある情報を入力してもらうようツイートで呼びかけました。
すぐに入力が始まり、そのうち1秒に1回のペースでデータが入力されるように。
マークさんがオビ氏(LP)優勢の途中経過をツイートすると、突然数千のツイッターアカウントが現れ、大量のスパムや脅迫の攻撃を受けました。
さらに投票情報入力サイトには様々なIPから大量の偽情報が入力されるように。
CAPTCHAを導入してBotをはじけるようにしたものの、今度は数百人の人間を駆使して偽情報を入力し始めます。
最初の偽情報は適当な数字を入れているだけでしたが、だんだん本物っぽい数字をいれてくるようになり、ついには「一部は正確だが他が偽」のような非常に判別しにくいデータが送られるようになりました。
その上サイトの関係者を名乗る人物が、「このサイトは与党側が仕組んでいる」「オビ氏の負けを証明するためのものだ」といった偽の告発を行い始めました。
その結果サイトへの入力はスローダウン。
偽情報の確認の時間も含めると期限まで全く間に合いそうにありません。
しかしここでマークさんが自身のサイトのあるバグを発見します。
「最初にページを開いたとき、写真全体からランダムなものを表示する」となるべきところが、
「最初にページを開いたとき、ごく一部の写真からランダムなものを表示する」になっていました。
偽情報が集中していたのは、まさにその「ごく一部の写真」だったのです。
偽情報を入力する側は、ばれにくいように一度入力するたびにページを更新していたようです。
そのおかげで確認の時間を大幅に短縮でき、無事異議申し立てを行うことが出来ました。
いやなかなかすさまじい話です。
入力サイトをつくろうと言ってすぐ作れるのがすごいですね。
マーク・エッシェンさんはHotels.ngというナイジェリアのホテル予約サイトを作った方だそうです。
ReactとLaravelというフレームワークを使用したそうですが、それらを使えば楽に作れるのでしょうか。
妨害とそれへの対抗は、技術的な手法と社会的な手法が織り交ぜて使われているのが面白いですね。
異議申し立てが通るかどうかはまだ不明ですが、なんとかこの努力が報われてほしいです。
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